temple-story鈴虫寺ものがたり, 京都で出会ったこと
鈴虫寺ものがたり, 京都で出会ったこと ,

すず虫寺に行ってきました。後編

 

それまでは晴れていたのに石段を降りるころには 雪が舞ってきました。

寒っ。

お腹も空いてきたので近くの食堂の看板を眺めていたら 中からお店の方がでてきて話しかけてきてくれました。

その熱心さに心打たれてIN。

お店の中でくだんの“ハンケイ500メートル”を見ていたら またもお店の方が話しかけてきました。

ほら、ここに載ってたんですよーと見せると、 もっていって2、3人でワイワイしゃべってました。

お昼の時間ははずれていて他にお客さんもいなかったので いろんなおもしろい話がきけましたよーー

 

きけば鈴虫寺、正式には華厳寺という臨済宗のお寺なのですが 比較的新しいお寺で、もともと特に特徴はなく、 参拝者を集めるために鈴虫を飼い、草履履きの幸福地蔵を作ったんだそうです!!

そういえば、参拝料を払ったときよくもらう“~の由来”というような パンフはなかったなあ。

ということは、説法の中で“お願い事をするときお守りをどう手に持つか”とか 住所名前をちゃんとお地蔵様に伝えることとか、転居したときはどうするか、とか そういうきまりごと、自分たちで一から決めたのか~

そして説法は住職一人でするのではなく、新聞で広告を出して人を集めているらしいです。

20分くらいの時事もからめた説法を次々としてましたもんね。住職ひとりじゃとても無理でしょう。

私が聞いた人は住職ではなかったけど、 とても穏やかな語り口だったのでてっきり寺のお坊さんだと思っていましたが一般の雇われ人だったかもしれません。

もともとお話の上手な方なんでしょうがしっかり内々で語り部を 育成しているようです。

 

でもよく考えたものです、全国でも珍しい草履履きのお地蔵さん。

これ、どんな願い事でもひとつだけ叶えてくれる、てのがミソなんです。

多分一人につき一回、一願い事です。

それが叶ったら 報告しがてらお守りを返しに来て、また次の願い事用に新たに一枚買って持っていてください、 とのことでした。

自分で何度も願掛けに行く必要がなく(お地蔵様の方が歩いてきて下さるから) お気軽なので京都旅行の際に観光客が立ち寄る、 そして願いがかなったらまた鈴虫寺に来てお守りを買う・・・すばらしいシステムです!

昔は財政難だったらしいですが今はかなり潤っているとのこと。

鈴虫のケースにはにはナスがたくさんはいってましたが 近所の八百屋さんがおろしているんだそうです。

お寺だけでなく近所の八百屋さんも潤し、そしてもちろん まわりの食堂も潤してる。。。

みんな買っていましたもんね、お守り。

 

私は想像するのです。

 

まず、このお寺を建て直すためにみんなでつのつきあわせ 話し合っているとき、鈴虫の鳴き声が聞こえてきた。

その中の一人がポンとひざを打ち(←この表現、かわいくて好き)

そうだ、この鈴虫をこのお寺の名物にしよう。 鈴虫に“寿々むし”、と縁起のよい当て字をあたえてお寺の看板にしよう。

もうちょっとなにか欲しいなあ。

そうだ、願い事をされるのを待っているお地蔵さんでなく、寿々むしにちなんで 寿をみんなに配って歩くお地蔵さんってのはどうだろう。

そうだ!歩くための草履を履いているめずらしいお地蔵さんを作ろう。。。

 

ドキュメンタリー番組でも作れそうじゃないですか!

 

どうです、鈴虫寺。

歴史もないのにケシカラン、と腹を立てるなどヤボってもんです。

鈴虫寺にはビジネス成功のエッセンスがたくさんつまっていますよ。

 

1、そこにしかないブランド力   草履履きのお地蔵さん、一年中鳴いている鈴虫。

2、刺さるネーミング       寿々むし 幸福地蔵

3、みんながしあわせになれる   幸福お守り、近所のお店

4、リピーターの確保       お守りのシステム

5、攻めの広報          ハンケイ500メートルなど

6、後継者育成          説法する人

 

鈴虫寺に行ってこんな感想を持つことになろうとは、びっくりです?!

 

しかし振り返ってそもそもの興味の対象、鈴虫。

家に帰り着いてから改めていろんな疑問がわいてきた。

 

あのケースの中には今まさに鳴いている成虫しかいなかった気がする。

ということは別室で幼虫を育てているのか。。。

お寺には4000匹鈴虫がいるとのことだったけど さすがにあのケースだけで4000匹はいないと思うし。

ケースのなかには土ではなく砂利のようなものがつまっていたけど あれに卵を産むとは思えぬ。

孵化と育成は別室でやっているのだろうか?

それから、ケースごとに照明がついてて明るい中で元気に鳴いていた。

ふつう鈴虫は暗くならないと鳴かないが、どういうこと??

それから、全国から集まるかもしれない鈴虫たちはどうするのだ?

 

お寺にはこんな看板もありました。

鈴虫が一年中鳴いているという状態にするまで28年かかったそうです。

飼っている人ならわかることですが、相当試行錯誤したと思われます。

“成せばなる”を大文字にしたかった気持ち、痛いほどわかります。

でも赤い文字のところ、それまでの文となんの関係もないのがちょっと笑える。

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けど“冬期中は暖かい室内です”ってことは、夏はどこにいるんだーー??   涼しい室内?もしかして外?

 

しまった!

冬の状態を確認することに気をとられて夏のことを質問するのを忘れてた!

また夏に訪れようと思います。(私もリピーターになってしまった。別の理由で

また夏にレポートしますねーー

えっ鈴虫には興味ないって?? そんなこと言わんといて~

鈴虫に関してはおもしろい話があるんですよ。

ふつう飛行機に“鳴く虫”を乗せる場合、ペットとして 5000円ほど払わなければいけないのですが それを払いたくないがために毎年のようにくりひろげていた 空港職員との笑えるアノ手コノ手のバトル。。。

ブログには書けませんけどね。(←ここまで書いといてヒドイ)

 

鈴虫には、このように、好きなだけでは済まされない 苦労の一面もあるのですが(こんな苦労かよ)

鈴虫寺に行ってからは、 私の鈴虫を見るまなざしはいっそう穏やかになりましたよ。

こんなちっぽけな虫がこのお寺に幸せをもたらしてくれたことを記念して 私もこれから、“スズムシ”、ではなく“寿々むし”として いつくしんでいこうと思います。

 

お寺の庭からみた風景です。京都タワーが見えます。

IMG_5002.jpg

 

 

帰り、バスに乗ったまま渡月橋の上からとった嵐山の写真です。

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つぎ すず虫寺に行ってきました まだ言い足りないのか編


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帽子プロデューサー みすみ

★京都の帽子屋さん*帽子屋ポピンズ 帽子プロデューサー。
★自身が、帽子が苦手だった経歴をもつ。
★1000人以上の女性からヒアリングしてわかった、”多くの人に似合う帽子”をプロデュース。
★帽子の形・色・素材・それにかざりの効用で似合う帽子を選ぶやり方をレクチャー。帽子の楽しさをお伝えしています。
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